第三者経営継承とは
近年、後継者不足によって農業を続けられないという農家が増えています。
一方、農業を始めたいと考える人も増えていますが、農地の獲得や技術習得に時間がかかるため、十分な所得が得られず農業をやめてしまうという例もあります。
そこで、生まれたのが第三者継承です。農地や機械、施設だけではなく、作物の栽培や飼養管理の技術、経営管理のノウハウなどを新たな担い手へ引き続くという取り組みです。
家族・親族以外に今まで継承してきた財産を、第三者に移譲するのは心情的なハードルはあるかもしれませんが、移譲する側、される側にだけではなく地域にも大きな財産を残すことになります。
第三者経営継承のメリット・デメリット
農業に興味があり新規就農を考えているのなら、第三者経営継承も一つの手段です。
施設や土地、販路も引き継げるので、安定した経営をするにスタートできる可能性が高いメリットがあります。
その反面、研修期間中の生活費の問題があるため、ある程度貯蓄を用意しておいたほうがよさそうです。
補助金もありますが、家庭がある場合だとそれだけでは足りない可能性があるためです。
また、相性もありますのでスムーズにいくとは限りません。事前研修でお互いの相性を見極める必要があります。
第三者経営継承は農業に関する知識、経営に関する知識がある程度持っておいたほうがいいでしょう。
これから新規就農を考えているなら、セミナーやイベントに参加してみることをおすすめします。
北海道における推進状況
北海道では平成20年から「農業継承事業」に取り組んでいましたが、平成29年に終了。
平成30年から全国農業会議所と連携し「農業経営の第三者継承情報・提供活動」により移譲希望者と継承希望者の登録とマッチングを行っています。
令和元年から休農による空き物件も対象範囲に含め、地域担い手センターと情報を共有する「継承可能物件の情報共有」の取り組みも始めました。