農業従事者の減少と高齢化に対して、ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)、ロボット技術の導入によって解決を図る動きが推進されています。
特に1経営体当たりの農地が広大な北海道ではスマート農業の相性がいいといわれ、さまざまな実証実験が行われています。
スマート農業とは
従来の農作業をICTやIoT、ロボット技術、AIを駆使することで自動化・省力化する手法です。
農業にテクノロジーを導入することで、労力を削減し労働力不足を解決することと国内食品自給率の安定を目指しています。
ドローンによる農薬の散布、自動操舵コンバインによる収穫など、少ない人数と時間で作業が終えられるため、大規模化しやすくなるのがメリットです。
北海道では1経営体当たりの規模が大きく、ほ場もまとまっているため導入ハードルが低く、メリットが大きいといえるでしょう。
スマート農業の推進を図る農林水産省
農林水産省が中心になりスマート農業の推進を図っており、その一環としてスマート農業加速化実証プロジェクトを推進しています。
スマート農業加速化実証プロジェクトとは、2025年までにほぼすべての農家がデータを活用した農業を実践するためのプロジェクトです。
具体的には最先端技術の導入・実証と社会実装を進めるための情報提供の2つがあります。
最先端技術の導入・実証で得られたデータは、各農家が活用できるよう整理・公開し、農業従事者が自分の農業に取り入れられるか判断します。
スマート農業の導入事例
北海道で導入されているスマート農業の事例について紹介します。
ドローンによるミネラル資材の葉面散布や防除作業
北海道網走郡でうるち米生産を目的に、ミネラル資材の葉面散布をドローンで行っています。
作付面積が10.9haに対して、従業員は経営者の1人でした。
導入以前は1haあたり1.5時間かかっていましたが、ドローン導入により1haあたり0.5時間に短縮。
さらに病害虫や雑草の防除作業もドローンを利用することで省力化と時間短縮に成功しました。